第3章 チェリー・ポップ
「ん…あ…だめ…」
力の入らない腕で俺の肩を押す。
けど、俺は止まれない。
「やめて…」
顔を上げると、潤んだ瞳が俺を見ていた。
「智くんと、寝たのに…俺はだめなの…?」
「え…?」
その時、寝室の扉が開いた。
「翔くん…?」
「智くん、こっちにきて…ニノが呼んでる」
「あ、うん…」
智くんが俺の近くまで来た時、強引に腕を掴んでベッドに引き倒した。
「えっ…ちょっと…」
だめだ…
止まれない…
暴走してしまった気持ちを、抑えることができなかった。
「チーフが…気づいたよ…?」
「え…?」
「ニノと智くんが寝たって…気づいてたよ…」
「嘘…」
そっとベッドの上に乗った。
二人に覆いかぶさるように。
「俺も…今朝、見た…」
「え…?」
「二人が、裸で抱き合っているところを…見たよ…」
「翔くん…」
「ねえ…俺も…」
そっとニノの頬を手で包んだ。
「俺も…ニノを癒やしたいよ」
「え…?」
「智くんと一緒に…ニノを…癒やしたい」
智くんの顔をみたら、信じられないって顔してる。
そうだよね…俺だって…
ここにくるまでこんなこと思ってなかったんだから…
「智くん…」