第1章 ミントscene2
「どんだけ恋愛不器用なんだよ…」
「だ、よね…」
ガクッと翔くんは下を向いた。
「じゃあ、ちゃんと言ってやれば?雅紀に好きだってさ」
「うん…ちゃんと伝えるよ」
「それで仲直りできるんじゃね?」
「ああ…そうだよね…」
ボリボリと頭を掻いて、翔くんが立ちあがった。
「楽屋、戻ろっか。ありがとうね。智くん」
「ああ…別に。俺何もしてねえし…」
事実、何もしてねえ。
楽屋に戻ったら、雅紀も和也も居なかった。
潤も居ない。
「なんだぁ?どこ行ったんだ。あいつら…」
翔くんと二人でソファに座りながら待ってみても、あいつらは帰ってこなかった。
「なにしてんだよなあ…」
だんだんイライラしてきた。
いくら雅紀だって言ったって、自分の恋人があんなにベタベタされていい気分なわけない。
早いとこ、抱きしめたかった。
「俺…振られるかもなぁ…」
ぼそっと翔くんが呟いた。
顔をみたら、泣きそうな顔してた。
「ここまでくるのに5年掛かったんだけどな…」
「え?そうなの?それなのに好きって言ってなかったの?」
「う…ヤメテ…傷えぐらないで…」
翔くんは頭を抱え込んで蹲った。
「まあまあ…」
背中をポンポンと叩いてやった。