第1章 ミントscene2
明るく言ってるけど、無理してるのがまるわかり…
斗真がタバコをジュっと消した。
「翔くん、潤は俺が幸せにするから」
そう言って潤をぎゅっと抱きしめた。
翔くんはそれを複雑そうな顔で見てた。
「ああ…頼むな…」
そう言うと、潤と斗真は喫煙エリアを出て行った。
「はぁ~…なんだよなぁ…今日は…」
翔くんが溜息をついてタバコを消した。
俺もタバコを消すと、翔くんの顔を見上げた。
「潤のことは、そういうふうには見れないけど、雅紀は違ったんだよ…」
「へえ…」
「雅紀はなんつーか…押し倒したくならない!?」
「俺は和也にしか興味ねーもん」
「俺だって雅紀にしか興味ねえよ!」
「まてまて…こんなとこで言い争っても意味ねえだろうが」
「あ…ごめん…」
翔くんは壁に寄りかかったまましゃがみこんだ。
「最初、無理やり押し倒したのはほんとだよ。だけどその後は、あいつも喜んでると思った…」
「そうじゃなかったみたいだな…」
「そういえば、好きって言ってなかったかも…」
「は?」
「あいつが最近、俺のこと好きになってくれたのは感じてたから、てっきり通じてるんだと思って…言ってなかったかも」