第1章 ミントscene2
ちょうど誰も居なかったから、コソコソ喋らず済んだ。
「雅紀…ああなったら容易には心許してくれないからなぁ…」
翔くんは遠い目をして、タバコを燻らせてる。
「和也もああなったら、頑固だからなぁ…」
俺も鼻から煙を吐き出した。
その時、喫煙エリアに潤が入ってきた。
「あ、探したよ」
もうへっちゃらな顔して潤が入ってきた。
後ろには、なんと斗真が居た。
「ちょいちょい…さくしょーさんよ。うちの潤になにしてくれんのよ」
にやにやしながら斗真は翔くんからタバコをカツアゲした。
「ごめんね…翔くん。俺、ちょっと衝撃でかすぎて…」
「いや…」
潤が気遣わしげに翔くんに話しかける。
翔くんはきまずいのか、顔も見てない。
斗真は潤の肩を抱いて、翔くんの顔を覗き込んだ。
「あのさー。翔くん、なんでうちの潤振ったの?」
「やめろよ…とーま…早く戻れよお前…」
潤が腕を外そうとするけど、斗真は動かない。
「潤は…俺にとって弟だから…」
「え…」
「弟に、欲情できねーだろ…ごめんな、潤」
「翔くん…」
潤はちょっと涙目になって、それから笑った。
「…うん!それはわかってたから…だから諦めついたんだよ」