第1章 ミントscene2
「は?なに?」
「…なによ」
「何でお前、俺よりも雅紀を優先してんだよ」
「だから、今そういうこと言わないでくれる?」
「おい雅紀…」
「智!今、ヤキモチ妬いてる場合じゃないでしょ!?」
和也がキッと俺を睨んだ。
「お前、そんなの二人の問題だろ?俺達がでしゃばったらややこしくなんだろ」
「そう思う?こんな状況で…嵐全体の問題だよ?」
「はぁ?こんなことがかよ」
「…こんなことって…酷くない?」
和也は俺から目を逸らした。
怒ってる証拠だ。
何で俺が怒られなきゃいけないんだ…。
俺の恋人が、他の男と抱き合ってんだぞ。
なんで俺が怒られてんの?
むかっ腹が立ってしょうがなかった。
「じゃ、もういい」
俺は立ちあがって、床でへたばってる翔くんの腕を取った。
立ち上がらせて、一緒に楽屋を出た。
「さ、智くん…!?」
「もういいよ。あいつらほっとこうぜ?」
「でも…」
「おい!櫻井翔!」
「は、はい!?」
翔くんの声が裏返った。
「お前、本当に玩んでねえんだろうな!?」
「あ、当たり前だろ…」
「ふん…ならいいよ」
二人で喫煙エリアに入って、とりあえずタバコに火を点けた。