第4章 路地裏の花【一松】
路地裏に着くといつもとは違う光景が目に入った。
見知らぬ女の後ろ姿と、美味そうに餌を食ってる友達がいた。
一松「ちっ‥先約か。」
その相手に聞こえない位の小さな声でぼそっと呟くと、俺に気が付いた猫がこちらへと駆け寄ってきて俺に撫でてくれと甘えた声で鳴きながらすり寄ってきた。
一松「‥もう飯貰ったんだろ?また明日来る。」
ひと撫でしてやってその場を立ち去ろうとした時だった。
「あのっ‥、もしかしてあなたの猫?」
俺がいる事に気が付いたらしい。女が話しかけてきた。
一松「違う。それじゃ。」
それだけを言い残して俺はその場を離れた。