第6章 夏合宿〜1日目〜
夏合宿の1日目!
朝はやくから、集合して
少し離れた宿に移動する。
合宿先には海がある。
結構楽しみだ。
「優!
合宿だよ!合宿!
海だよ!」
「真紀、はしゃぎすぎ…」
移動中のバスの中で、
私は優の隣りになった。
「そんなこというなよ♪
楽しみじゃん♪
しかもずっと真紀ちゃんと
一緒だし♪」
前の席の、菜城先輩が話しかけてきた。
「やめて下さい!
そういうの…」
相変わらず、菜城先輩はチャラい…
まぁそういう人か…
「え〜
つれないね♪
まぁ、そういう真紀ちゃんも
可愛いんだけど♪」
「凛…
泉にあんまり絡むな…
泉、困ってるだろ…」
菜城先輩の隣りに座っている
神ケ谷先輩が、
菜城先輩に注意する。
「え?なに?
千尋も真紀ちゃん狙い?」
「はっ…!?
そんなんじゃないし…
意味わかんない…
バカ凛…」
菜城先輩も、千尋先輩も相変わらずだ。
「喧嘩はやめて下さい…
雪泉先輩のげきりんに触れる前に…」
私の席から、通路をはさんだ
席にいるのは雪泉先輩だ。
雪泉先輩は、不機嫌そうな顔を
浮かべている。
「凛!
千尋と喧嘩すんな!」
「ちぇ〜
だって千尋が真紀ちゃん
狙ってるからさ〜」
「だから…
そんなんじゃないって…!」
いい争う、菜城先輩と神ケ谷先輩…
一体、何がしたいのか…
私がおどおどしていると
雪泉先輩が助けてくれた。
「だから!やめろ!
泉が困ってんじゃねぇか…
ごめんな、泉
バカ達が…」
「いえっ!
大丈夫ですよ!」
やっぱり雪泉先輩は、
優しいな〜。
「何?
深夜まで、真紀ちゃん狙い?」
「そうだったの…?
深夜…」
「ちげ〜し!
確かに…泉は可愛いけど…」
しまったとばかりの顔をする
雪泉先輩。
私には、何のことか
まったくわからない。
するとそこに、
優が割り込んだ。
「真紀をいじるのやめて
もらってもいいっすか?」
プクーと頬をふくらませる、優。
「なになに?
ヤキモチ?」
ニヤニヤした笑顔でたずねる
菜城先輩。
いかにも、菜城先輩らしい顔だ…
「そういうのじゃないんすけど、
とにかくやめて下さい…」
優はふくれた顔のまま言った。