第5章 空の下で
涙がとまらない。
すると、優が優しく
涙をぬぐってくれた。
「ほら、
泣かないで…
真紀には、涙は似合わない
笑ってよ
いつもみたいに…
笑って…!」
すると、
自然と涙はとまっていて、
思わず笑顔になった。
「やっと笑ってくれた!」
優はそういうと、
無邪気に笑った。
その笑顔が、
可愛すぎて、私は優の顔をみることができなかった。
「ごめんね…
傷ついたよね…
ホントごめん…」
「もぅ終わり!
俺達、仲直りしたんだから…
ねっ?
分かった?」
「うっ…うん…」
あまり、納得はしなかったが
優の『仲直り』という言葉が
とても嬉しくて、
私は笑った。
久しぶりに笑った私は、
とても幸せな気持ちになった。
ちょうど、みあげた空は
雲1つない、美しい青空が広がっていた。
『君と空の下で
新たな青春の1ページがきざまれた』
自分の病室にもどると、
優が私のいなかった間の話を色々としてくれた。
気づけば、もぅ夏休みにはいっていた。
そして、バスケ部の合宿は
明後日からだ。
私の退院は明日だから
なんとか、合宿には間に合いそうだ。
「真紀って
合宿にいくつもり…?」
「うん…!
行くにきまってるじゃん!!」
少し、張った声でこたえた。