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君と空

第1章 入学式


春…
桜の花びらが舞い散るなか、私は青い空を見上げた。
今日から高校1年生!
「真紀、おはよ〜」
あくびをしながら挨拶をしてきたのは、幼馴染みの優。
中学1年から同じクラスだった優とはとても仲が良く、家族のような大切な存在だった。
だけど…
だんだん仲良くなるにつれ、家族のような存在から1人の異性としてみるようになった。
つまり片思い…
中学の頃から想いを伝えようとするけど、勇気がでなく好きになってから、結構な時が過ぎていた…
「おっ…おはよう!」
慌てながらも、挨拶を返した。
声をかけられるだけで顔が熱くなるのがわかる。
「んっ?顔赤いけど大丈夫?」
優が私の顔をのぞき込んでくる。
「だっ…大丈夫…!」
優との距離が近すぎて心臓が激しく動くのがわかる。
優との距離が近いからか、さらに顔が熱くなる。
「もっと顔赤くなった」
優がさらに私をのぞき込んでくる。
「大丈夫…だからっ!」
このままじゃ心臓がもたないと思い、すぐに優と距離をとる。
「真紀〜?」
「大丈夫…だから!先行ってて!」
私は顔をおさえながら立ち止まり、冷静に考える…
(落ち着け私!落ち着け…)
すると、手をつかまれた。
「ほら!一緒にいくよ」
手を握られたまま歩きだした。
「ちょっと…!1人で行くからいいよ…」
優の手を離そうとすると…
「俺が真紀と一緒に行きたいの!ダメ?」
(これは反則ですよっ!)
さらに顔が熱くなる。
「ダメじゃないです…」
「それならいい!一緒に行くよ〜!」
手を握られたまま、歩きだした。
顔が熱くなって何も考えられなくなりながらも、校門をくぐった。
「高校生だね〜」
優が、話しけてくる。
「う…うん! そうだね!楽しみだな〜」
緊張しながらもなんとか答えた。
(この状況…!優が手を繋いでくれてる…嬉しいけど、恥ずかしい…。まわりから優の彼女にみえてるかな!?)
妄想をしていると、現実にスグ引き戻された。
「真紀〜?話し聞いてた?」
「ごめん!聞いてなかった…」
「まったく真紀は…」
色々考えていたせいか、優の声がまったく聞こえなかった。
「ホントに大丈夫?さっきからずっと顔赤いよ?」
「大丈夫…だから!」
耐えきれなくなった私は優の手を離し、少し距離をとった。
「変な真紀…」
そういうと、優は私の頭を優しくなでた。
ビックリしたが、とても嬉しくなり、さらに顔が熱くなった。
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