第1章 四月一日。
(やられた…最初っからわかってたんだ)
キラはがっくりと肩を落とす。
そんな彼女の前にセブルスはいつものようにアプリコットティーを差し出した。
それは、長居を許可するときのサイン。
ぱっと顔色が変わるキラを見て、セブルスはひっそり心の中で微笑む。
彼女の気持ちは知っている。
だから、拒絶はしなかった。
かといって受け入れられる立場ではない。
あと二年…彼女の気持ちが変わらなければ、あるいは。
「セブルス、戸棚に置いたクッキー食べてもいいですか?」
「…いつの間に持ち込んだんだ…」
「この前ダモクレスが来たときです」
「来てたのか、あいつ」
「はい。でもセブルスは職員会議でいらっしゃらなくて」
「…そうか」
「また来るねー、と」
「……来月の半ばくらいだな」
「おそらくは」
End