第9章 櫻井翔のキケンな夜会4
そのままオートロックを解除して、エレベーターまで引きずっていった。
乗り込むと、雅紀を引き寄せてぎゅっと抱きしめた。
「ごめん…雅紀…」
「知らない…翔ちゃんなんか知らない…」
すっかり身体から力が抜けきって、雅紀はじっと俺の腕の中にいる。
「ごめんね…見ちゃった?」
「みた…」
ぐずっと鼻を鳴らすと、俺の肩に額を載せた。
「ばかしょうちゃん…」
「わざとじゃないんだよ?わかるだろ?」
「嫌だもん!あいつと一緒にいるだけで嫌だもんっ!」
エレベーターの扉が開いて、雅紀の腕を掴んで部屋に向かった。
よたよたとされるがまま、雅紀はついてくる。
玄関に入ると、ギュッと抱き寄せた。
「だから…仕事だから…あいつは後輩だから。しょうがないだろ?」
「嘘つき!翔ちゃん、あいつのことすきなんだろ!?」
ぽかぽか俺の胸をぐーで殴ってくる。
すげー痛くて、思わず両手首を掴んだ。
「そんなわけないだろ!俺はお前が…お前が…」
「なんだよっ…俺が、なんだよっ…」
もどかしくなって、雅紀を廊下に押し倒した。
無理やりブーツを脱がせると、腕を引っ張って起こして、リビングまで連れて行った。