第75章 今日の猫来井さん②
「これは…一体…」
猫野さんと猫宮さん、そして私は呆然とその光景を眺めておりました。
暫くすると、また呼び鈴が鳴りました。
「あらっ…どなたかしら…」
玄関に出てみると、引き戸のガラスの向こうに男性の影が2つ…
「あらあら?どちら様ですか~」
「あー!猫来井さん!俺!猫葉!」
「俺だよ、猫本!」
あらあら…猫野さんのお友達のおふたりです。
ガラガラと引き戸を開けると、おふたりはなだれ込むよう玄関に入ってきました。
「やー、おまたせしました~」
「え?え?」
「ちょっと買い物手間取っちゃってさ…」
「な、なにがでしょうか…」
「あれ?なまことガーベラ、来てるっしょ?」
猫葉さんが、しっぽを私の足に絡みつけてきます。
「えっ…もしかしてあのお二方は、お知り合いなんですか?」
「うん。なんか、今日猫野さんの家来るからって、言われてたんだけど…」
「ま、マジっすか…」
手にはなにやら、荷物を持っていらっしゃいます。
「これは…?」
「ああ…」
猫本さんは、くいっと箱を目の高さまであげました。
「アノ二人、今日誕生日なんだよね」
「えっ…そうなんですか?」
「そそ。だから、ここでお祝いしてやろうとおもってさぁ」