第75章 今日の猫来井さん②
呆然としながらも、お客様ですのでリビングにお通ししました。
中に入ると、リビングのローテーブルには水槽が置かれて、なまこさんが中で悠々と揺蕩っています。
それを猫野さんはニコニコしながら眺めています。
「あれえ?和じゃん。どしたの?」
「ねっ…猫野さん!珍しく起きてるのね!見てよこれ!」
猫宮さんは、ずいっと猫野さんのほうにガーベラを差し出しました。
「あらあ///こっちもいい男♡」
「!?!?!?」
猫野さんがのけぞると、猫宮さんはため息を付いておとなりに腰掛けました。
「な…なんで花が喋るんだよ…」
「よろしくね♡あたし、ガーベラっていうの」
フラワーロック(古)のようにくねくねしながら、ペコリとお辞儀をしました。
「あ…ども、猫野智です…」
「智くぅん…」
ガーベラさんはぺとっと、猫野さんの手により掛かりました。
「あらっ!いい男が増えたわっ…」
テーブルの上から声がします。
「んなっ!?!?!?」
猫宮さんが驚いてソファから落ちてしまいました。
テーブルに置かれた水槽の縁に、やっぱりなまこさんが腰掛けています。
「ちょっ…今、この海鼠がしゃべったの!?」
「よろしくね~(^o^)あたし、なまこっていうの~」