第75章 今日の猫来井さん②
「ごめぇん!だって、智の次に顔が好みだったんだもぉん」
私の顔に張り付いたまま、海鼠が喋っています!
「ぎょえええええええええええええええええ!」
慌てて手で海鼠を払うと、猫野さんがキャッチしました。
「あっぶね…」
「もお!なによ!私にも痛覚あるっていったでしょお!?」
海鼠は猫野さんの手の中でぷんぷんうにうにしています。
「ひょあっ…そ、それっ…」
「いやあ…喋るなまこって珍しいよね?」
「な、何を仰ってるんですか?!」
「あたし、なまこっていうの!よろしくね!(^o^)」
「うわぁ…」
喋ってる…喋ってるよ!
「だって…俺たちだってありえないだろ…?人間の姿に猫耳としっぽなんてさ…」
「そ、そりゃそうですけど…」
「だったら、海鼠だって喋ったっておかしくないよな?」
「ね~!智ぃ~?」
猫野さんとなまこさんは、きゃっきゃうふふと喋っています。
「いやあもう…釣り上げたときは、俺もびっくりしたけどさあ…」
「だってぇ…いつもだったら、ヒト科の動物の前じゃしゃべらないんだけどさあ…顔が超好みでぇ…」
「むふ…こいつ、いいやつ…」
猫野さん…それでいいのか…
「そこの翔ちゃんさんも、超好みっ…」