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ヘブンズシュガーⅡ【気象系BL小説】

第73章 you have…







六本木の駅前。
いつものドトールの二階席で待ち合わせ。

タバコを1本吸い終わる頃に、智が入ってきた。

「こっち」

手を振ると、アイスコーヒーを飲みながら智は向かいの席に座った。

「よ。ニノ」
「んふふ…」

テーブルの上に載せた手をきゅっと智は握った。

「久しぶり…」
「うん…逢いたかった」
「俺も…」

ぎゅっと握られた手を、ひっくり返された。

「さ。出しな」
「え?」
「金だよ、金」
「あ…覚えてたの?」
「覚えてるに決まってるだろ?」

ポケットから財布を出すと、智の手に1万円を数枚載せた。

「ほい、俺の勝ちね」
「あーあ…行けると思ったんだけどなあ…」
「ばーか…翔は俺にベタぼれなんだよ。おまえのこと抱くわけ無いだろ?」
「ふうん…自信満々なんだ?」
「だって、翔、凄いんだぜぇ…」
「なにがよ」
「飯だって作ってくれるし、洗濯だって掃除だって…奥さんかよって程だぜ?」
「なによ…それ」
「仕事から帰ってきたら、風呂まで沸かしてあんだぜ…?ゲームばっかしてるおまえん家とは大違い」

ぷうっと膨らませた頬を、智がちょんと突いた。

「ふふ…かーわいいなぁ…おまえ…」
「なによぉ…バカ」
「はいはい…俺はバカですよ…」

叩こうとした手を智はすいっと避けた。

「じゃあな」
「え…?これからウチ来るんじゃないの?」
「……うまい飯が待ってんだよ。帰るよ」

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