第73章 you have…
「なんだよ…この人?」
「ん?うん…」
智が照れながら俺の肩を抱き寄せた。
「へえ…」
品定めするように俺のこと眺める。
「こんな野暮ったいののどこがいいんだよ」
「ええ…?」
智は俺をちらっと見ると、舌を出した。
「カラダ」
「ぶっ…ちょ、ちょっと智っ…」
「ぶはははっ…」
潤は何がおかしいのか爆笑してる。
「へ、へえ…あんた、そんないいカラダしてんだ」
「ち、違っ…もお!智っ…」
「ぶっ…ふふ…冗談…」
そっと俺の頭を抱き寄せた。
「かわいいんだよ。コイツ…」
心臓
止まるかと思った
わかってるのに…
遊びだって
こんな言葉だって
仕草だって
智は本気じゃない
俺に、本気になるはずがない
「また…冗談ばっかり…」
「ん…?冗談に聞こえる?」
「聞こえる」
「ふうん…」
ぎゅっとまた俺の頭を抱き直した。
「じゃあ、どうやったら翔に本気だってわかってもらえるんだろ…」
うまいよね…
そうやって、人を夢中にさせてきたんだ…
「わかった…」
潤が不機嫌な顔をして立ちあがった。
「オイ!ニノ!」
突然大声を出すと、振り返った。
そこには、ニノがいた。