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ヘブンズシュガーⅡ【気象系BL小説】

第73章 you have…


こんな時、少しだけ寂しいと思ってしまう。

俺は、明らかにここに来る人達とは違う人種。
酒に飲まれるようなこともないし、薬に溺れることもない。
服のセンスもないし、いつまで経っても派手な人たちには気後れする。

それでも…

ただ人との繋がりを求めて俺はここにくる。

派手に叫ぶことも踊ることもできない。
音楽にただ身を任せて、その渦に精神を投入してるだけだ。

「…は、まだ一緒に居るの?」

断片的に聞こえる会話は、俺が聞いていいものかもわからないから、聞こえないふりをする。

でも、ふと見た智は…
まだ俺のこと見てた。

「…ん?もう別れた」
「ええー?別れたの?勿体無い。かわいいのに」
「だってガバガバなんだもん。飽きた」

雅紀が爆笑して智の肩を叩いてる。

「なんだよ、智…本格的にニノのテクに参っちゃった?」
「…んなわけねーだろ…」

くすくす笑って智が壁に寄りかかる。
ぐいっと俺の腕を引っ張った。

「…なに…?」
「酔った。送って?」
「え…?」

まるで女みたいに俺にしなだれかかってくる。

「ちょ、ちょっと…智…」
「あーあ…俺、しらねーぞ…翔…」

雅紀が気の毒そうな顔をして俺を見てる。

「い、いや、雅紀あの…」
「智さぁ…ニノと一緒に暮らしてんの。だから、泊まったら穴だらけにされっから、気ぃつけろよ~」

そう言って、手を振って俺たちから離れていった。

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