第72章 今日の猫来井さん
私の膝に抱きつくから、バランスを崩してお勝手の床に倒れてしまいました。
「なっ…何をなさるんですっ」
「俺、この後仕事上がりなんで~…猫来井さん、ちょっと遊びましょうよぉ。ちゃんとご挨拶もしてないし…」
クンクンと鼻を鳴らすと私のおケツの匂いを嗅ぎます。
「ま、待ってくださいっ!私、仕事中…」
「あ~…猫来井さん、マジでいい匂いするなあ…」
「や、やめてぇ~!」
必死に逃げようと猫葉さんの顔を蹴っておりますと、お勝手にどやどやと猫野さんたちが入ってきました。
「翔ちゃん?どうしたの?」
「猫来井さん…飯…って…」
「え?あれ?猫葉さん?」
私の腰に抱きつく猫葉さんが顔を上げました。
「あれっ…猫潤に猫宮じゃん!なんで猫野さんとこいるの?」
「え…遊びに来たんだけどって…え?なんで抱きついてんの?」
「だぁってぇ!猫来井さん、めっちゃいい匂いすんだもん!嗅ぎたくない?」
「ええー?」
そんな事を言うから、3人もクンカクンカと鼻を動かし始めました。
「あー…なんかいっつも翔ちゃんがくるとモヤモヤしてたんだけど、これだったのかぁ…」
「そうよね。猫来井さんが来る日は、俺もそわそわしちゃってた」
「な、何を仰ってるんですか!?」