第71章 ARA通し(?)
「ちゃんと消毒はしたから大丈夫だよ…」
いや、そんな医者みたいなこと…
って、医者だった。
「あ、あのっ…後ろからじゃなくても俺っ…」
「うん…翔くんの気持ち的にはそっちのほうがいいのかもしれないけど…試してみよう?ね?」
「あっ…」
とっても淡々と喋っているのに、指の動きは容赦なかった。
蕾の周りをいつもみたいにゆっくりとほぐすように撫で回す。
ぬるりぬるりと指が這っていく度に、身体がびくりびくりと揺れる。
眼の前にあるクッションを握りしめて、なんとか歯を食いしばる。
「んっ…んーっ…」
「何で声我慢してるの…?」
「だって…目の前にクッションしかないんだもん…」
智さんの顔が見えなくて、なんだか虚しい。
「ふふ…かーわいい…」
べろっとシャツをまくりあげられて、背中にキスが落されてる。
「あっ…ちょっ…」
俺、なんにもできない…
智さんに触れることもできない…
「やだぁ…」
「ふふ…もうちょっと…ね?」
ね?ってもう…
そういうふうに智さんから言われると、俺、弱いんだよぉ…
「あっ…あっ…きゅ、にっ…」
油断してたら、中に指が入り込んできた。
「…力、抜いて…?」
囁くような声が、熱を帯びていた。