第70章 咲ちゃん
「あー。後はぁ…」
もう、やること思い付かないや。
お掃除は…
「リビングだけやっとくか…」
旦那の部屋は知らない。
自分でやればいいわ。大人なんだし。
子供たちの部屋は…
青少年には触らない。
自分でやればいい。
もう大人と一緒なんだから。
そーっとリビングに入ると、ぼっちゃんたちは良く寝ている。
「今のうち…」
掃除機をかけると起きてしまうから、コロコロを駆使してラグやフローリングをお掃除。
「ううう…腰が痛い…」
積年の恨みのように、腰がジクジクと痛む。
でも負けない。
コレが終わったら…
コレが終わったら…
「自由だぁぁぁぁ~~~~!」
コロコロの柄を持ったまま叫んだら、ソファの上のブランケットが飛び上がった。
「ふぎゃっ…」
「ふにゃあっ」
「あ…」
しまった…ぼっちゃんたち、起こしちゃった…
「ぶええええっ…真っ暗ぁっ…」
「いやああんっ…何も見えないぃ」
しかもブランケットを頭から被っているものだから、真っ暗でパニックを起こしている。
「んも~…おバカなんだから…」
自分含めてな…
「はいはい。咲ちゃんここにいるよ?」
「うわああんっ…咲ちゃんっ」
「咲ちゃぁぁんっ…」