第68章 傾城屋わたつみ楼-常磐色-
「他…なんかされたか…?」
そう言うと、紫蘭は目を逸らした。
「だい…じょうぶ…」
ぎゅっと唇を噛みしめるから、嘘だとすぐわかった。
「身体、見せてみろ…」
嫌がる紫蘭を押さえつけて、布団を剥がすと薄い紫の襦袢を肌蹴させた。
体中に殴られた痕がうっすらと残っていた。
「…ごめんな…」
身体をうつ伏せにすると、尻に手をかけた。
「嫌っ…見ないでっ…」
紫蘭は暴れたけど、押さえつけて確認した。
「…切れてるじゃねえか…」
あいつ…ローションも使わないで無理やり挿れたんだな…
しかも…生で中出ししてる。
「風呂、行くぞ」
「やだ…」
「やだじゃねえよ!腹痛くなるだろうがっ…」
風呂の準備をして、無理やり紫蘭を風呂に入れた。
その間、ずっと紫蘭は泣き続けて…
抱きしめてやるしかできなかった。
中を綺麗に洗って、風呂から上がったら傷に薬を塗って。
なんとか紫蘭を居間に座らせると、どっと疲れた。
その間にも頬はジンジンしていて、腫れもひどくなってくる。
紫蘭の方はそれほどでもなかったが、あいつはどうやら俺には力の加減はしなかったらしい。
濡れタオルを二つ作って、自分と紫蘭の頬に当てた。