第68章 傾城屋わたつみ楼-常磐色-
まあ…多少、面倒事があった時はそっちの力も借りるけどね…
どうしてそういうことになってるのか分からないが、でも俺たちやここで働いてる子には一切、組のことには関わらせていなかった。
「雅紀…」
朽葉が切なげな目をして俺を見上げる。
ぐっと腕を下から掴むと、一層その目は切なく潤んでくる。
「その時は…一緒に…」
「さあ、寝ろ」
強引に話してる最中の朽葉に布団を掛けた。
「雅紀…」
まだ何かいいたそうな朽葉の唇をキスで塞いだ。
「ん…ぁ…まさ…き…」
「もう寝ろって…」
言いながらも、一旦触れてしまった唇の感触が気持ちよくて止まらなくなってた。
布団から朽葉の腕が伸びてきて、俺の首に絡む。
「も…っと…欲しい…」
「だめだ…」
言ってるのに、勝手に身体が布団に潜り込んで。
朽葉の細い体を抱きしめた。
昨日、一晩中客に抱かれていたはずの身体は、すぐに熱くなって。
「お願い…抱いて…?雅紀…」
「だめだ…」
だめだって言ってるのに…俺の手は勝手に朽葉の襦袢を止めている紐を解いた。
「んうっ…」
襦袢を割り開いて、すぐ下の素肌に触れた途端、身体が仰け反った。