第7章 オレンジscene1.5
「お前と…離れたくないよ…」
「翔さん…」
ニノの腕が俺の身体に回された。
きゅっと弱い力で抱きしめられる。
「うん…一緒に…居たい…」
「嬉しい…ニノ…」
髪に顔を埋める。
温かい体温とニノの香りが、身体を疼かせる。
「なあ…」
「うん…?」
「えっちなことしようか」
「えっ…」
ニノの身体を少し離すと、顔を覗き込んだ。
「今、幸せ?」
「えっ?」
「俺はお前を幸せにできているのか?」
「翔さん…」
微笑むと、俺の頬を両手で包んでくれた。
「しあわせだよ…俺」
「ニノ…」
「だって…俺のしあわせは、ここにあるもん」
そう言って俺の胸に手を当てた。
「翔さんが生きて、俺のそばに居てくれるだけでしあわせだよ…」
ちゅっとキスすると、はにかんだ。
「翔さんは?しあわせ?」
「え?」
「いつも俺のしあわせばっかり考えてくれてるけど…俺は、翔さんをしあわせにできてるのかな…?」
俺の手を取ると、自分の胸に押し当てた。
「翔さんのしあわせは、どこにあるの…?」
そう言って俺の目を覗き込んだ。
「…ここに、あるよ…」
微笑むと、ニノは温かい笑みをくれた。
「よかった…一緒だね…」