第67章 プロローグ(仮:めりくり)
愕然としたまま、葉山さんは立ちすくんだ。
そして、御前は忍者を見た。
「おまえは、遊女に化けるんだ。そうだな…私が客の役をしてやろう。さ、ここへ来るんだ」
…この貴族、頭おかしい。
「おいらが…?遊女に…?化けんの?」
「できるだろう?」
ポリポリとボサボサの頭を掻くと、ふっと笑った。
「なんだ。そんなことでいいのか」
ふいっと背中を向けたかと思うと、また振り返った。
「ええっ…!?」
なんと忍者は、可憐な女性に変身していた。
「これでいい?ご・ぜ・ん?」
先程のむさ苦しい忍者から一転して、可憐で清楚な感じのする着物を着た女性に化けていた。
「おお…素晴らしい。では褒美は無門にだけ…」
「やっ…ヤりますっ…」
突然、葉山さんが洋服を脱ぎ始めた。
「どえっ…ちょっ…葉山さっ…」
全部脱ぎ捨てると、葉山さんはベッドに昇ってきた。
「あの…御前…」
「なんだ」
「僕のこと、先生って呼んでもらえますか…?」
御前はちょっと怪訝な顔をしたが、すぐに真顔になった。
「先生…」
「あっ…」
目を閉じて頬を染めて、葉山さんはちょっと余韻に浸っている。
「げっ…」
ちょ、ちょっとお…おっきしてんじゃねえか!