第67章 プロローグ(仮:めりくり)
それぞれの願いが出揃ったところで、御前は一層ニヤニヤし始めた。
「ふうん…そうか…」
御前は俺たちをソファに座らせると、執事と何やら話し始めた。
小声だったからこちらにはよく聞こえない。
たまに「それは…」とか、「御前…」という執事の小さな声が聞こえてくる。
暫くすると、ため息を付きながら執事は御前から離れた。
「皆様…それでは別室をご用意しますので、こちらへどうぞ」
別室だって?
っていうか、俺、まだどうするのか言ってないんだが…
執事が部屋を出ていくと、メイドに促されて俺たちは立ち上がった。
案内されて着いた場所は…
「え…?寝室…?」
中に入ると、メイドは頬を染めて出ていった。
執事はため息を付いて、俺たちに向き直った。
「御前のご用意ができましたら、すぐにお連れしますので。皆様はここでお待ち下さい」
「え?えっと…?どういうことですか?私はまだ…」
「いえ、鳴海様はそれでよろしいのでございます。御前より指示がありますので…」
それだけ言うと、執事はさっさと寝室を出ていった。
部屋の中央にどでかいベッドがあるだけの部屋だ。
俺たちは手持ち無沙汰になってしまう。