第67章 プロローグ(仮:めりくり)
「では、私から…」
そう言うと向かいに座っていた佐々木さんが立ち上がった。
さっと御前の前に進み出ると、直立した。
「御前の思い出の料理を再現して、御前を楽しませます」
「ほう…それはどんな料理でもか?」
「はい。もちろん」
御前はにやりと笑うと執事を見た。
「結構です。お次は…」
執事はこちらを見た。
「では僕が…」
そう言って隣に座っていた、葉山さんが立ち上がった。
「僕は演劇部の顧問でしたので、御前に芝居をひとつご覧に入れます」
「どのような芝居だ?一人で?」
「はい、一人芝居をお目にかけます」
またもや御前はニヤリと笑った。
「結構です。お次どうぞ」
執事はこちらを見た。
「じゃあ、おいらが」
忍者が立ち上がった。
「おいら、珍しい忍術で楽しませてやるよ」
「ほほう…例えばどのような?」
「じゃあ、変化の術で、何にでも変身してやるよ!」
またもや御前はニタリと笑う。
「け、結構でございます。それでは…」
執事がこちらを見たので、立ち上がった。
御前の前に進み出ると、俺はプレゼンを始めた。
「私は、長年商社に勤めておりまして」
「ほう」
「御前の望むものを、世界中から取り寄せましょう」