第66章 Thousand of…LOVE
一緒に居られるだけでも嬉しいのに、まさかこんな指輪まで貰える日が来るなんて…
「俺、しあわせだよ…翔ちゃん…」
またぎゅううっと抱きしめてくれた。
「俺も、しあわせだよ。智くん」
”一緒に生きていってください…”
翔ちゃんが、言ってくれた言葉が蘇る。
一緒に生きていこうね…一緒に前に進もう…
これからもずっと
甘く濃密な時間を過ごした俺たちは、夕方には家に帰った。
子どもたちや舞ちゃんは、もっとゆっくりすればいいのにって言ってくれたけど、今日は日曜日。
子どもたちの通学の準備とか、やることたくさんあるんだよね。
舞ちゃんには旦那さんによろしくとお礼を言って、おみやげとお礼を渡して帰ってもらった。
夕飯は調布の駅前にできた新しいスーパーで豪勢な材料を買ってきたから、パーティみたいになった。
まさか37歳の誕生日を、こんな風に祝って貰えるなんて思ってなかったから、俺の涙腺はまた緩んだ。
「あー!とうちゃん泣いてる!」
「うっ…うるさいっ…泣いてないっ」
「えーっ?泣いてるよねぇ?どっか痛いの?」
「ばっかだなあ!とうちゃんは、嬉しいの!子供にはわかんないかあ…」
「いや、おまえも十分子供だろう、雅紀…」
一緒に居られるだけでしあわせだよ
だから…
一緒に、生きていこう
一緒に、歩いていこう
幾千の夜、幾千の昼をこれからも一緒に…
【Thousand of…LOVE 終わり】