第66章 Thousand of…LOVE
「今日お誕生日なんでしょ?さとくん」
「いや、そうだけど…」
「遠慮しないの、ね?」
こそっと舞ちゃんは俺に呟いた。
「潤のフォローは皆でしとくから…安心して?」
「あ…舞ちゃん…」
「ほら、行った行った」
玄関から無理やり出されて…
待っててくれた翔ちゃんはにっこり笑って、俺に手を差し出した。
「さ、行こう。ドライブしようよ」
「あ。え…買い物…」
「もう…今日は、恋人に戻ろうよ?誕生日なんだよ?」
「でも、潤…」
「ここで予定取りやめたほうが、潤は落ち込むと思うけど?」
「あ…そう、かな…?」
「だって、一ヶ月も前からあいつら準備してたんだよ?」
「えっ…!?そんな前からっ!?」
強引に翔ちゃんは俺の手を握った。
「行こう?車にね、子どもたちが準備してくれたプレゼントあるよ。あとね、舞んとこと、実家からも…」
「翔ちゃん…」
なんだか夢見てるような気分で…
まさか子どもたちや翔ちゃんの実家にまでこんなにしてもらえる日がくるなんて…
俺たち、ただでさえ男同士だし…
連れ子も居るし…
それに俺は頼れる親も居ない身だし。
だから翔ちゃんの実家の皆さんには、温かく迎えて貰っただけでも嬉しかったのに。
こんなことされたら…俺…