第66章 Thousand of…LOVE
「な…なんだよお…」
全く意味がわからない…
しょうがないからトレイを持ってリビングに戻ったら、キッチンでなにやら雅紀と翔ちゃんが揉めている。
「いいからっ…そんな気を使うな!」
「でも!とうさんずっと準備してただろ!?」
「しょうがないだろ!こんな時にそんなこと…」
なにしてんだろ…
「ちょっと?雅紀…」
「んもおおお…!頼むよ?とうさん!」
「だからあ…いいって言ってんだろ?」
「なにしてんだよ~!早く布団もどりなさい!」
「とうちゃんは黙ってて!」
すごい形相で叫ぶと、翔ちゃんに迫った。
「た・の・ん・だ・よ?」
「ま、雅紀…近い…」
雅紀はそのままどすどすとキッチンを出ていった。
「なんなの…?翔ちゃん…」
「い、いや…なんでもないんだ」
「でも雅紀、あんなに…」
「や…ほんと…なんでもないから…」
ものすごくきまり悪そうな顔して食器を下洗いしてる。
なんだかよくわからないながらも、客間から下げてきた食器を洗い桶に浸して、翔ちゃんが下洗いした食器を食洗機に放り込んでいく。
「俺さ、今日、子供部屋で寝るから…」
「うん…わかった…」
心なしか、寂しそうで…
「子供部屋で一緒に寝る?」
「えっ?」