第66章 Thousand of…LOVE
翔ちゃんの目が赤くなって潤んでる。
「…俺もだよ…翔ちゃんが俺のこと好きになってくれてよかった…」
そっと抱き寄せると、ぎゅうっと翔ちゃんは抱きしめ返してくれた。
「ずっと…一緒に生きていこうね…?」
「うん…智くんと一緒に生きたい…」
身体を離して見つめ合った。
「翔ちゃん…」
「智くん…」
ゆっくりと唇が重なって…
俺たちの想いも重なった。
その後、雅紀の部屋に食器を取りに行くと、雅紀が目を覚ました。
「とうちゃん…」
「ん…?」
「潤ね…多分、わかってるから…」
「え?」
「とうさんと潤のお母さんが離婚した理由…」
「えっ…!?」
雅紀は目を閉じた。
「…もう、わからない年じゃないよ…面会してるうちに、お母さんがなんかおかしいって気づいたみたいだよ…?」
「雅紀になんか言ったの?潤が…」
「まあ…最近面会や電話の後、元気なくて…和也と二人でなんとなく話振ったんだ…」
きゅっと目をこすって、俺を見上げた。
「他の友達のお母さん見てたら、自分のお母さんがなんか違うって…わかったみたくて。多分…離婚した理由はそのあたりなんじゃないかって…そう言ってた…」
「そっか…そんなこと、言ってたんだ…」