第66章 Thousand of…LOVE
「潤…」
無理やり体を起こしてティッシュで顔を拭いた。
「ほら、おいで?」
腕を広げる。
…もう大きくなったから、最近は抱っこなんかしてないんだけど…
潤は戸惑った顔をしていたけど、ばふっと胸に飛び込んできた。
もう背丈は俺ほど高い。
だけど細っこい身体で…こんな身体で孤独に耐えてるのかと思うと、涙が出そうだった。
「潤の保護者参観、とうちゃん行ってもいい?」
「え…?」
「潤が嫌だって言っても行くけどね?」
「とうちゃん…」
「んで、先生に”潤は自慢の息子です”って大威張りするんだ」
潤が目をまんまるにして俺を見た。
「だってお手伝いはとってもたくさんしてくれるし、勉強だって進んでする。野球も頑張ってるし…こんな自慢の息子…雅紀と和也と、潤以外いないよ?」
「とうちゃん…」
みるみる目が潤んで、ぽろぽろと涙を零し始めた。
「…ほら…また泣く…」
「とうちゃあん…」
ぎゅうっと抱きしめて、頭を撫でた。
「潤は俺と翔ちゃんのかわいい息子だからね…?」
「うん…うん…」
暫くぐずぐず言っていたが、そのうち眠ってしまった。
「翔ちゃん…」
「ん…」
そっと翔ちゃんが抱き上げて、子供部屋に行った。