第66章 Thousand of…LOVE
雅紀を寝かせて、食器はとりあえず後にして…
泣いたままの和也を抱っこして客間を出た。
子供部屋のベッドに和也を下ろして、顔をティッシュで拭いてやった。
「とーちゃ…」
「ん?」
「おれ…とーちゃんが大好きだよ…」
がばっと抱きつくと、そのまま和也は目を閉じた。
「とーちゃ…どこにもいかないでね…?」
「……いかないよ…行くわけ無いだろう?和也を置いて…」
小さい頃から幾度となく繰り返された言葉…
最近は言わなくなっていたのに…やっぱり心の奥底には抱えてるんだな…
「俺もだいすきだよ…和也…」
「うん…とうちゃん…」
ぎゅううっと抱きついて、そのまま和也は眠ってしまった。
だいぶ大人びたとは言え…やっぱりまだ子供で…
泣き疲れて眠る和也の頭を暫く撫でた。
「智くん…」
翔ちゃんが子供部屋のドアから顔を出した。
「ちょっと…」
手招きするから、眠った和也に布団を被せて子供部屋を出た。
「どう?潤…」
「いや…ちょっと、見てやってくれない?」
「うん…わかった…」
翔ちゃんに続いてリビングに入ると、潤がラグの上で突っ伏して泣いてた。
でも、声を上げるでもなく…
ただじっと丸まって悲しみに耐えてる。