第66章 Thousand of…LOVE
「ごめんね。寝てるとこ起こして…俺たち子供部屋に行くから、ちゃんと寝てな?」
「うん…」
医者で貰った薬を飲ませて、ポンポンと頭を撫でた。
「…おまえたちにも寂しい思いさせてごめんな…?」
「な、何言ってんだよ…!」
雅紀は慌てて起き上がった。
「しょうがないじゃん。かあちゃんは病気だったんだから…」
涙を堪えるように、一気に喋りだした。
「それに俺たち、とうちゃんがずっと家に居てくれるから寂しくなんかないよ?とうさんと潤っていう新しい家族もできたし…」
…そんなわけ無いだろ…?
やっぱり親が…特に母親が居ないっていうのは、絶対的な寂しさがあって…
俺自身、小さい頃に両親を亡くして親戚の家で育ってる。
あの時の寂しさは今でも夢に見るほどで。
親戚の家にはとても良くしてもらったし、感謝もしてる。
だけど、あの感情は…筆舌に尽くし難い。
「…おまえたちが優しい子に育ってくれて、俺、嬉しいよ…」
和也は寂しくなっちゃったのもあるだろうけど、潤のこと思って泣いてる。
雅紀なんかまだ中学生なのに俺に気使ってさ…
和也を抱きしめたまま、雅紀を引き寄せて抱きしめた。
「本当に俺、しあわせものだよ…」
「とうちゃん…」