第66章 Thousand of…LOVE
リビングから出ていこうとする潤と、それを捕まえる翔ちゃんで揉み合いになった。
でもやっぱり大人と子供だから、あっさり潤が抑え込まれて…
リビングのソファに引きずって行かれて、無理やりラグの上に正座させられてる。
翔ちゃんはその正面にあぐらをかいて座った。
「ごめん、智くんと和也は飯食ってて?雅紀に食わさなきゃいけないし…」
「あ、うん…」
そんなこと言われても…
和也も手が止まってた。
ちょっと俯いて手元を見つめてる。
ため息をつくと、翔ちゃんは潤に向き合った。
「どういうことか言いなさい」
まっすぐに見る翔ちゃんを避けるように、潤はそっぽを向いてる。
「今日、電話してたのは母さんだろ?なんか言われたんだな?」
「知らない」
「じゃあいい。俺が母さんに聞くから」
「やめてよっ…」
やっと潤は翔ちゃんの方を向いた。
「じゃあなんでそんな態度を取るのか、ちゃんと説明しなさい」
暫く潤は悔しそうに唇をかみしめて居たけど、翔ちゃんが電話の子機を持ってきたから、諦めて口を開いた。
「…学校公開週間に、来てって言ったんだ…」
「え?」
「あ…翔ちゃん、これ…」
さっき和也に貰ったプリントを翔ちゃんに渡した。
すぐに目を通すと、翔ちゃんはちょっと戸惑った顔をして潤を見つめた。