第66章 Thousand of…LOVE
俺たちは同性カップルで。
表向きはシングルファザー同士の助け合いのための同居って言ってる。
だから、再婚狙いの図々しいシングルママさんの標的にされて凄い困ったこともあった。
だから、あんまりたくさん来る日には行きたくないんだけどな…
「でも土曜なら翔ちゃん行けると思うんだよね…潤だって自分のお父さん来ないと寂しいでしょ?」
「そう?もうアイツ、とうちゃんのことホントの父親だって思ってると思うよ?あ、母親か」
「バカ…おりゃあ、男だ」
ぶふっと和也が笑うからポコッと一発殴っといた。
「あれ?潤は?一緒に帰ってきたんじゃないの?」
今日は土曜日で、下二人はリトルリーグのチームに入ってるから練習だった。
練習してるグラウンドはすぐ近所だから、二人だけで通わせてる。
雅紀は受験生だから、部活は引退して今日は一日塾だ。
「なんか、部屋で電話してるよ?」
「え?」
そう言えば家電のランプが着いてる。
子機を子供部屋に置いているから、通話は自由にさせてるんだけど。
和也が部屋を出てきたってことはもしかして…
「お母さんと電話してるの?」
「…そうみたい…」
「そっか…」
俺のところは死別だけど、翔ちゃんのところは離婚で。
潤のお母さんは健在なのだ。