第66章 Thousand of…LOVE
「和也なんか用だった?」
「あ。あのさ、これ」
練習用のジャージのポケットから何やら出してきた。
学校のお知らせプリントだった。
「…学校公開週間…?」
「うん。この期間ならいつでも来ていいんだって」
「へえ…保護者参観も変わったねえ…」
それは新しく「学校公開」っていう形の保護者参観が、これから月一回始まりますっていうお知らせだった。
決められた一週間の間なら、いつでも参観できるってことらしい。
俺の息子和也と、翔ちゃんの息子潤は同じ年で。
和也の兄である雅紀は、その3個上。
行ってる学校も一緒だから、保護者参観はいつも苦労してた。
雅紀は中学に上がってしまったし、小学生の時は学年が違うから時間も違って大丈夫だったんだけど。
下二人は同じクラスなら一遍に済ませられるんだけど、今は違うクラスだから、授業の途中でそっと抜け出してなんとか2人分見るしかない。
下が低学年の頃は、まだ翔ちゃんは仕事もそんなに詰まってなかったから二人で休めたけど、今はそれどころじゃなくって、学校関係は在宅ワークの俺の管轄になってた。
学校公開週間は、この期間ならいつでも来てもいいし、どの授業を見てもいいってことだから、助かった。
「ちゃんと来てよね」
「もちろん。あ、月イチの土曜授業日も行っていいんだ…」
「でもこの日はたくさん来ると思うよ?」
「そっか…そうだよね…」