第64章 らぶぱれーど-悪魔の囁き-
お互いじとーっと睨み合ってたけど、ニノが先に笑いだした。
「もう、いいでしょ?行こうよ!さと!」
「う、うん…」
それぞれ時間をちょっとずらして、リビングに降りた。
潤くんは女の子だから、階段は僕がエスコートして降りた。
「智って優しいんだな」
「え?そんなことないよ…」
ふふっと笑って潤くんは僕のほっぺにキスをくれた。
「入るよー?」
先に降りてる二人に声を掛けてリビングに潤くんを連れて入った。
「わあっ…」
入った途端、ニノのすっごく喜ぶ声が聞こえた。
「すごおい!どっからどう見ても潤くんだっ!」
…やっぱ、そうだよね…
潤くんにはストリートファイターの春麗の女装をしてもらったんだ。
青くて肩がふんわりとしたチャイナ服風の戦闘服。
頭はウイッグをなんとか2つのお団子にして白い布をかぶせてリボンを付けた。
実際に戦うわけじゃないから、下のスカートは長めの丈にしてあって、なんだか妖艶な魅力を醸し出してる。
スリットから出てる足は、ちゃんと茶色のスパッツを履いてもらって、足元は白のブーツ。
「でもこれ、春麗だよ!すっごい嬉しい!」
ニノのゲーム好きが高じて、こうなっちゃったんだけど…
潤くん、すっごい似合う。
たくさん春麗の画像みながら研究したけど、潤くんは潤くんだから、そのまま素直にきれいになるようにメイクしたらパリコレのモデルみたいになった。
くるんとしたまつげにシックな色のシャドーをあわせて、その目元は流れるような涼やかさだった。