第64章 らぶぱれーど-悪魔の囁き-
「…智からはないの?」
「えっ…僕から?」
潤くんはふんわりと笑って俺のこと見つめてる。
なんだかいつも以上に大人っぽくて余裕すら感じる…
こんな無茶なお願いしてるって言うのに…
「じゃ、じゃあ…僕からもお礼、するから…」
だってここで潤くんに言うこと聞いてもらわなかったら、ニノが大変なことになる。
あいつ拗ねると一年くらい面倒だから、どうしても避けたかった。
「ほんと?」
「うん…だ、だからこれ…着てもらってもいい?」
「わかった」
苦笑して、潤くんは快諾してくれた。
隣の部屋からニノの「ヤッター!」って声が聞こえた。
多分翔くんもOKしてくれたんだろう。
思わず潤くんと目を合わせて苦笑した。
「なに…?翔にも女装させるの?」
「うん…」
「ふうん?二人で俺達のこと女装させる計画立ててたんだ?」
「えっ…うん…その…」
にやりと潤くんは笑う。
「やってくれるじゃん」
「や、に、ニノがだって言うから…」
「そうなんだ。やっぱりこういうこと考えるのはかずだよなあ…」
ベッドに置いた衣装を見ながら、潤くんは薄手のカーディガンを脱ぎ捨てた。
「さ、始めようか」