第64章 らぶぱれーど-悪魔の囁き-
「よしっ…」
意を決して、僕はニノたちの寝室のドアを開けた。
「智…?」
潤くんが窓辺に立ってこっちを見てる。
どきっとした。
だって、なんかすっごく絵になるんだもん。
「あ、あのね?潤くん…」
ちょっともじもじしながら、なんとか潤くんの目をまっすぐ見た。
「お願いがあるの…」
「なに?智のお願いだったら、できるだけ叶えてあげたいな…」
するりと腰に手が回って身体を引き寄せられる。
目の前にすっごく男前な顔がある。
あ…まつげ、長い…
女の子みたいにくるんってしてる…
「あっ…」
も、もう!僕ったら…
これから女の子になってもらうんじゃないか!
見惚れてる場合じゃないよ!
「智?」
「あっ…あのねっ…潤くんにこれ着てほしいの!」
荷物のガムテープを剥がして、慌てて中身を取り出した。
「えっ…」
潤くんはそれを見て絶句した。
「こ、これ、ニノのお姉ちゃんに作ってもらったの!」
「えっ…えええ!?」
「だからサイズとかぴったりだからっ…お願いっ!」
「ちょっ…智っ…」
「メイクも僕がするし、ちゃんとその…お礼もするからっ…ニノから!」
そう…潤くんへのお礼はニノからだよ…もちろん。