第63章 reflection -fromあなた-
「じゃあ、一人暮らしなの?」
「うん」
「そっか。じゃあさ、お礼に晩飯奢らせてくれない?」
「え?いいよそんな…」
智くんは照れくさそうに遠慮したけど、俺は強引に誘い続けた。
だって、なんか離れがたくなってたし。
小田急線を降りて、家の近くのファミレスに入った。
「…ちょっと、足見せて」
席につくと俺の隣りに座って、足を上げさせられた。
「あちゃー…腫れてるな…すげえ痛いだろ?」
「あ、でも骨折じゃないと思うし…大丈夫だよ」
以前、足を折ったことがあったから、その痛みに比べたら平気だったから、捻挫なんだと思った。
「家に親いんの?」
「あー…どうだろ。残業じゃないかな…」
「…ちょっと待ってろ」
そう言って智くんはファミレスを飛び出していった。
帰ってきた智くんは近所のドラッグストアで何やら買い込んでいた。
「湿布して包帯巻いといてやるから、明日病院いけよ?」
「えっ…買ってきてくれたの?お金払う!」
「いいから。足、出せよ」
智くんは一人暮らしだからか、なんでもテキパキしてて。
あっという間に俺の足を包帯でぐるぐるにした。
「ありがとう…」
「いいって」