第62章 新・忍びのむに
翌朝起きた二人は、布団の中で見つめ合った。
昨日あったことを思い出すまで、暫くかかった。
思い出した途端、二人は真っ赤になった。
「お…おはよう…潤之介…」
「おはよう…無門殿…」
なんであのようなことになったのかはわからないが、それでもなかったことにもできない。
そっと無門は潤之介の身体に腕を回した。
「潤之介…」
潤んだ瞳で見上げる無門は、男なのに天女のように綺麗だと潤之介は思った。
「無門殿…」
そっと壊れないように潤之介も無門を抱きしめた。
「生きてく…」
「え?」
「俺、おまえと生きていく…」
「無門殿…」
薄闇の中に居た無門は、これから明るい場所にでるのかもしれない。
その光の先にはきっと、潤之介が居る。
「約束じゃぞ?無門殿…」
「うん…約束…」
布団の中で二人は小指をからませた。
「指切り…な?」
「うん…」
はにかんで指切りをする無門は子供のように無垢で、素直だった。
そんな無門に潤之介はまた愛おしさがこみ上げてきた。
「うわっ…」
がばっと無門を抱きしめると、息ができないほど力を入れた。
「痛いっ…痛いってばっ…」
「す…すまぬ…」
「なんだよぉ…いきなり…」
「わからぬ…なんだか抑えられない…」