第62章 新・忍びのむに
「いい…よ…?」
もう無門の身体には力が入らないし、潤之介は爆発しそうな顔をしている。
「ほんと…?」
「うん…」
力の入らない腕で潤之介の首を抱き寄せた。
「入って…?」
小さく呟かれた瞬間、潤之介が無門を貫いた。
「んっ…ああぁ…」
絞り出すような無門の声がお堂に響いた。
奥まで潤之介が届くと、腹の中が熱い。
暫くそのまま無門も潤之介も動けない。
「ふっ…ぇ…」
「無門殿…」
潤之介が切なげな顔をして、無門を抱きくるんだ。
「うぇぇ…」
「何を泣く…」
「だってぇ…」
しあわせだった
だけど、無門にはそれがなにかわからない。
わからないけど、胸や腹が暖かくて幸せだったのだ。
潤之介の広い背中に回した腕に少し力が入った。
離したくない…
「無門殿…」
「じゅんのすけぇ…」
泣きながら、この温かいものがたまらなく嬉しくて。
無門は泣き続けた。
「うん…」
「潤之介…」
「なんじゃ…?」
「潤之介ぇ…」
優しく無門の髪を撫でながら、潤之介も少し泣いた。
そうやっておでこをくっつけて、いつまでも二人は繋がり続けた。
無門が泣き止む頃、ゆっくりと潤之介は動き出した。