第62章 新・忍びのむに
最後に投げつけたとき、びりっという音が聞こえた。
慌てて着物を広げると、身ごろが見事に二つに裂けていた。
「あ…あぁ~…」
「あーあ…」
がっくりとしてしまった無門を見て、潤之介は笑いだした。
なんだか止まらないらしく、涙を流しながら潤之介は笑い続けた。
「す…すまなかった…俺が…悪かった…」
笑いながらも潤之介は無門に謝ってきた。
なんだか力の抜けた無門は階段に座り込んで、破れた着物を広げた。
「もういいよ俺も悪かった…つか、針と糸借りてきてくれよ…」
「わ…わかった…」
結局、もう外は暗くなっていて村には降りて行けなかったから、明日、適当な着物を見繕ってくることになった。
またしても無門は裸で布団に潜り込むことになった。
潤之介は時々思い出し笑いをしながら、寝る準備を整えている。
「おい…」
「ん…?ぶふっ…」
「…どこで寝るんだよ」
「どこって…布団に同衾するのは嫌なんであろう?でも無門殿は着物もないし…ぶふっ…ここらで寝るしかないであろう」
「もー…いいから、ここで寝れば?」
そう言って背中を向けた。
なんだか酷くこっ恥ずかしいのだ。
「は…?」
「だーかーらー…一緒に寝ればいいだろう!?」
逆ギレである。