第6章 ネクタイ
「智くん…智くん…?」
目を開けると、翔ちゃんが居た。
「…こんなところで…何してたの…?」
テレビをつけたまま、ソファに寄りかかって眠っていた。
「あ…別に…」
手のひらに、先ほど出した劣情が乗ったままだった。
「おかえり…なさい…翔ちゃん…」
見上げると、翔ちゃんはにやりと笑う。
「たくさん舐めてあげるって言ったのに…一人でしたの?」
「だって…」
「悪い子だね…智くん…お仕置きだよ…」
そういうと、翔ちゃんは俺の手を引き寄せて俺を立たせた。
「これ、なあに?」
「え…それは…」
「なあに?これ」
「精液…」
「なんでこんなところにあるの?」
「え…」
「俺の顔見ながら、オナニーしてたの?」
「…うん…ごめんなさ…」
翔ちゃんはテレビの画面を切り替えると、ブルーレイを起動させた。
録画した番組から、さっきのニュースを探しだすと再生し始めた。
「ほら…やってみて?智」
「え?」
「さっきと同じようにやってみて」
そう言うと俺をソファに突き飛ばして、翔ちゃんは隣のひとりがけのソファに座って足を組んだ。
「俺に見せろよ」
「そんな…」
「俺をその気にさせなきゃ、潤の家にいく」