第62章 新・忍びのむに
何を謝っているのやら、わからない。
熱で頭もよく回らない。
凍えていた身体に潤之介の体温が染みて、いつの間にか眠っていた。
次に目を開けると、もう朝が来ていた。
無門と潤之介はまだ裸で抱き合ったまま布団に入っている。
まだ少し寒くて、無門はぎゅっと潤之介の身体に抱きついた。
自分よりも大きな身体をしているので、まるで潤之介に包まれているようだった。
そっと潤之介の腕が無門を抱きしめた。
無門の頭に手を置くと、そのまま撫で始めた。
「熱は、下がったようじゃの…」
ぽつりというと、そのまま無門の身体を抱きしめている。
男同士で気持ち悪いとは思うものの、このぬくもりが心地よくて離れることができない。
背中に触れた潤之介の指が、無門の無数の傷跡を撫でている。
対称的に潤の色白の肌には傷一つない。
それが無門には不思議だった。
同じ乱破者なのに、こんなにも違うのか。
手触りのいい肌を撫でていると、お国の肌を思い出した。
白くて、絹のように滑らかな肌だった。
唇も…そう、この潤之介のように厚い唇をしていた。
「無門殿…?」
いつの間にか、ポロポロと涙が溢れていた。
止めようと思っても駄目だった。
後から、後から止まらない。