第62章 新・忍びのむに
「ん…?」
無門が目を覚ますと、また布団に寝ていた。
潤之介は相変わらず板敷きに身を横たえ眠っている。
外はまだ暗い。
「寒…」
下がったと思った熱が、また上がったのだろうか。
歯の根が合わぬほど震えてきた。
ぎゅっと薄い掛け布団を掴んで身に引き寄せるが、そんなことじゃどうにもならなかった。
「無門殿…?」
潤之介が起きてしまった。
無門の様子を見ると、顔色を変えた。
「寒いか?無門殿」
額に手を当てると、潤之介の表情が少し歪む。
「熱が高いな…」
また印籠から丸薬を出すと、竹の筒から口に水を含み無門に口移しで飲ませた。
「暫く、我慢されよ」
そう言って布団を剥いでしまった。
そのまま無門の着物に手をかけると全て脱がせてしまった。
抵抗する力も出ない。
また無門に布団を掛けると、潤之介は着物を脱いでしまった。
そのまま素っ裸で布団に潜り込んできた。
熱で震える身体を、ぎゅうっと抱きしめる。
温かい…
思わずほうっと息を吐き出すほど、ぬくもりが染みた。
「…嫌であろうが、少し我慢されよ…」
そう言うと、また無門を包む腕に力を入れた。
「無門殿を見つけるのに、時間がかかってしまった…すまなかった…」