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ヘブンズシュガーⅡ【気象系BL小説】

第57章 願わくば花の下にて恋死なむ
















「なに勝手なこと言ってんだよ…俺には恋人が…」
「潤っ…わかってる。話を聞いてくれ」
「やめてっ…聞きたくないっ…和也っ…」

恋人に手を伸ばそうとした。
だけど、そこにはぼんやりとした闇が広がってるだけだった。

「え…?ちょっと…待って、どこ?どこ行った!?」
「潤っ…聞けよっ…」
「やめてっ…離してっ…」

翔が俺の腕を掴んで、強引に抱きしめられた。

「やめろよっ…」
「潤…聞いて…」


弱々しい声だった


初めて聞く声だった


「俺は…ずっとおまえのことが忘れられなかった…」




翔の家は…群馬の旧家で…

父親はとても厳格な人だった。
母親は翔の小さい頃に亡くなって、翔の父親は男手一つで翔を育て上げた。

”早く跡継ぎを…”

そう懇願されて、仕方なく翔は見合い相手と結婚をした。

俺というものがありながら…


でも、俺はそれでもいいと思った。


翔の立たされた立場の苦しいことはわかる。

俺も…親から同じ期待をされていたから…


でも…翔はどんどん壊れていった


何度も裏切られて…それでも俺は許してた…


だって、翔にとって男が好きだということは、間違った人生設計だったんだもんね?

そんな自分の人生に…

父親の期待に応えられない自分に


翔は絶望していたんだ






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