第57章 願わくば花の下にて恋死なむ
「二宮」
「はい」
教授は立ち上がると、こちらに歩いてきた。
俺を通り過ぎると、防音室のドアを締めた。
「…どう、したんですか?」
「実験…しようか…」
「え…?」
ドアの鍵を締めてしまうと、防音のパーテーションを一個だけある窓の前に立てた。
俺を椅子に座らせると、微笑んだ。
「声…」
一言だけいうと、俺のジーパンに手をかけた。
じっと俺の顔を見ながら前を外すと、中に手を入れてきた。
「教授…」
「誰もこないから…安心して…」
泊りで実験をしてた先輩たちは、今日は掃除をするからと言ってあるから、家に帰ってた。
今日の夜までは、ここには誰も来ない。
「でも…相葉さんたちがくる…」
「大丈夫…休憩してるよ…」
「あっ…」
ぎゅっと俺を握りしめられた。
「我慢しなくていいから…」
「教授…」
防音実験室は外からは教授の持ってる鍵がないと開かないから、本当に密室。
パーテーションを立ててあるから、外から中も見えない。
俺たち、二人きりなんだ…
「あっ…あっ…」
「凄いね…二宮って、大きいよね…」
「そ、んな…」
「言われなかった?今まで女の子に…」
「言われたことない…」
「そっか…」
にたりと笑うと、俺の腰に顔を埋めた。