第56章 傾城屋わたつみ楼
「あぁ…翔さま…」
肩にかかる手にぎゅっと力がはいるのが嬉しい。
「気持ちいい…?」
「はい…」
「もっと、教えて…智…」
堪えながら腰をゆっくりと引くと、押し戻す。
その間も俺の手は、初めて触る陰茎を刺激し続けていた。
こんなこと、初めてするのに…
智に気持ちよくなって欲しい一心で、夢中になった。
「どうやったら気持ちよくなるのか…もっと教えて…」
「翔さまぁ…」
とうとう泣き出した智は、縋るように俺にしがみつく。
「智…」
胸の中が何かでいっぱいで
俺まで泣き出しそうだった
「泣かないで…智…」
「しょ、さま…もっと…」
ねだるように唇を押し付けてくると、また深くキスをする。
夢中でキスをしていたら、腰が揺れだして。
もう、我慢できなかった。
「さと…し…もう…」
「きて…翔さま…きて」
胸板をくっつけながら、きつく抱きしめあった。
ああ…なんでこんなに満ち足りてるんだろう…
「智も一緒に…」
「ああっ…ああ、もっと…お腹突き刺して…」
乱れた智は、俺に教えてくれる。
抉るように腰を突き出すと、智の身体が跳ねた。
「ああっ…」
「これがいいんだね…智…」
「いいっ…翔っ…ああああっ…もっとっ…」
「智…智…」
何度も何度も智の喜ぶところを抉るように突き刺す。
髪を振り乱しながら俺のこと受け入れる智は、泣いているのに嬉しそうで…
「あ…あっ…い…く…」
智のその声が聞こえた瞬間、強く身体を抱きしめた。
俺たちは一緒に果てた。