第52章 【Desire】24 ゆなゆさまリクエスト
翔の持っている技術は、最先端の医療技術で。
ここではとてもじゃないけど、生かし切ることはできない。
今だって、論文を取り寄せて熱心に読んでいる時間が長い。
翔の医療に対する情熱は、決して衰えていないんだ。
「医師を志したときのことを思い出して…翔」
「和也…」
「翔の持っている技術じゃないと救えない命が、たくさんいるんだよ…?」
「うん…」
「ほら…泣くなよ…」
翔の頬に流れる涙を、親指で拭った。
「だって…まるで和也が居なくなった後みたいな言い方するから…」
「馬鹿だな…俺はしぶといんだぞ?」
「和也…」
ゆっくりと翔の顔が近づいてきて、唇がふんわりと重なる。
「愛してる…和也…ずっとそばにいてね…?」
「ああ…当たり前だろ…離さないって言ったろ?」
この生命がある限り…
ずっと傍でおまえのこと守るから…
そして、おまえの居場所も
「和也…欲しい…」
「…まだ昼間だぞ?」
「ちょっとだけ…」
「…ふ…いいよ…?おいで」
部屋の入口の横は一段高くなっていて、小部屋のようになっている。
そこに布団が敷いてある。
布団に翔を寝かせると、荷物からネクタイを取り出した。
「今日は久しぶりに、縛ってやるよ」
「あ…和也…」
期待で翔の目が潤んだ。
「やっぱり…翔はこれが大好きなんだね…」
何年経っても無垢なままで…
何年経っても変わらず俺のこと愛してくれる…
「好きだよ…翔…」
きゅっと手首を縛り上げた。
「っく…和也ぃっ…」
「あっ…あぁ…翔の中、凄い締め付け…」
「やっ…ああっ…激しいよおっ…」
俺の首に、縛られた手を回しかけて激しい突き上げに耐えている顔が堪らない。
「やっぱり…縛ると感じるんだね…やらしい…翔…」
「んっ…あぁ…だって…だってぇ…」
「かわいいよ…俺の翔…」
「和也…も…僕のものだからっ…」
「ん…そうだよ…俺はおまえのものだからね…」
「あっ…あっ…和也ぃっ…イクっ…」
「翔っ…中にっ…」
「出してぇっ…あああっ…」
翔…愛してる…
和也…愛してるよ…
ニライカナイは俺達の情交を見守るように静かで…
短い間、眠りに落ちるのにも何の気兼ねもいらなかった。